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 投稿番号:100077 投稿日:2000年05月06日 17時30分29秒  パスワード
 お名前:おきらくマン
第2回「アイ・ラヴ・ユー」感想
キーワード:「アイ・ラヴ・ユー」
コメントの種類 :レポート  パスワード

ど素人による映画感想シリーズ。
第2回は、宇部市文化会館で特別上映していた「アイ・ラヴ・ユー」です。

この映画は、耳が聞こえないというハンディ・キャップを背負った主人公
の女性が、それをハンディ・キャップとせず、手話を用いた劇団活動に
飛び込み、健常者である夫と娘と時には意志の疎通に苦労しながらも、
たくましく劇団の公演の成功という目的を貫徹させる、
というお話です。

では、以下、感想です。

われわれは、果たして「理解」しようとしているだろうか?
映画の中でも、「「同情」と「理解」は違う」というような
フレーズがあったが、果たして、われわれは耳の聞こえない
人達の側に立って、彼らに接しているだろうか、また接する
ことができるだろうか。
「彼らは耳が聞こえないのだから、きっと不自由に違いない」
という思いこみや、健常者の側の論理をもって接していない
だろうか。その態度のことを「同情」という。
人と接する場合、相手の立場に立つことは当たり前のこと
である。でも、健常者がなんらかのハンディキャップを
もった人に接する場合、その表面的な違いに目を奪われて、
相手の立場に立つことはとても難しいと思う。
でも、それができないことは、人間として問題あるんじゃ
ないだろうか。

この映画の主人公を演じる女性は、実際に耳の不自由な人
のようだが、彼女の演技は、とっても輝いていた!
(とってもきれいな女性でもあるんですが)
「人間って、夢中になるとあんなに輝いた顔になるんだぁ」
と思った。
そして、ハンディキャップを持つ人が輝ける時間を僕ら健常者
が制約している現状は、実はとっても恥ずかしいことなの
ではないか?

僕は、次回の彼女(「忍足さん」というそうです)の映画出演に
ぜひとも期待したいと思います。
もちろん、またあの「輝いた顔」が観たいから。
そして、手話がもっと広まり、すべての人が耳の不自由な人の側に
容易に立てるような環境ができれば…。

それを真剣に願っています。
最後に、忍足さん、がんばってください。


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さんからのコメント(2000年05月06日 20時00分58秒 ) パスワード
  

ここのところ、ずっと手話サークルへの参加をサボっているわたしですが、この映画は4月の初めに山口県聴覚障害者情報センターと、山口県ろうあ連盟が山口県教育会館で上映したのでその時の感想を書きます。・・・っていうか、自分のHPからの転載ですけど・・・(あせあせ)

以下
さて、この『アイ・ラヴ・ユー』は、監督が聴者とろう者の二人がいる、とか、ろう者が実際に出演している、とか、日本アカデミー賞の特別賞を受賞した、などといったことが取り上げられている。たしかにこれらのことは、いままでのこういったテーマ作品には決して見られなかった画期的なことだし、主演の忍足亜希子の演技もすばらしい。

だが、この映画がすばらしい作品に仕上がった本当の理由は、子役の岡崎愛の演技が光っているからだ。聞くところによると、愛ちゃんは東京の児童劇団に所属し、この作品へはオーディションで選ばれたのだそうだ。ちなみに劇中の役名は『水越愛』という。

彼女はこの映画の中で、完全に役の少女『水越愛』になりきっている。その意味では天才子役といってもいいのだろうが、そういったことさえ感じさせないほど自然な演技なのである。とにかく表情がいい。かわいいとか美人とかじゃなく、まさに『自然』なのだ。

映画の最初のシーンは小学校の学芸会のシーンから始まる。言わば劇中劇ってやつだ。愛ちゃんはかぐや姫の役。相手役の男の子が途中でセリフを忘れてしまうが、愛ちゃんは機転を利かせてアドリブで危機を回避する。そのくせ自分はちゃっかりと客席の母親(主演の忍足亜希子:役名は水越朝子)から手話で自分のセリフを教えてもらっているのだ。このシーンは実は、この子役が物語の中で重要なキーポイントであることを暗示しているのである。物語はその後、前出の男の子が愛ちゃんに対していじめを行うプロセスに繋がって行く。早い話が「おまえのかーちゃん、へんな踊りばっかりしてるじゃねーか。まるでタコ踊りみてーにさぁ」と手話のことをバカにするのだ。それがきっかけになり、母親はろう者劇団に入り手話を使った演劇をみんなに見てもらい、それを通して『耳の聞こえない人はかわいそうだ』といった偏見をなくそうと決意する。

朝子の入った劇団は実は風前の灯火。彼女を入れても3人しかいない。しかし朝子は他の二人とともにチラシを配ったりして劇団員を集める。応募してきたのは夏実という女の子(ろう者の世界を知らないろう者)と、役者くずれの中年男性(もちろん耳が聞こえる)の二人だけ。劇団の責任者小百合は『耳の聞こえる者とは一緒にできない!』と頑なに彼を拒むが、愛ちゃんが二人の間の緩衝材となって晴れて男は劇団の一員となる。そして愛ちゃん自身も「わたしは6人目のメンバー!」と宣言する。つまりここでもこの愛ちゃんがキーマン(キーガールか?)なのだ。その後劇団や朝子の家族(旦那さんは消防士で3人家族)はいろいろと騒動があったりするのだが、そのほとんどに愛ちゃんが何らかの形でからんでくる。映画を見ているとどうしても大人の演技(特にろう者の役者)に目が行ってしまうが、それだけではこの映画の正しい見方ではない。

圧巻はなんといってもクライマックスだ。ふとしたことから愛ちゃんは、母親の朝子が初めはすこし聴力が残っていたのに、自分を生んでからはまったく耳が聞こえなくなったことを知る。「あたしがおかあさんの耳を取っちゃったんだ・・・」そう思い込んだ愛は泣きながら母に謝る。「おかあさんごめんね・・・。愛の耳をおかあさんにあげるから・・・」そんな愛に朝子は「たとえ耳が聞こえなくなっても、それでも愛を生みたかった。それはあなたが将来子供を産むようになったらわかるわ。それにね、愛が生まれた時におかあさんには確かに愛の心臓の音が聞こえたよ。とくんとくんって聞こえたよ。」とやさしく話すのだ。

ここで泣かない奴は人間じゃねぇ!たたっ斬ってやる!by破れ傘刀舟

そしてエンディング。劇団の公演も成功し、夫と朝子は部屋で眠る愛の側で語り合い、やがて二人のシルエットが一つになる。実はその時、眠っていると思った愛ちゃんは、しっかり起きているのであった(激爆)。

とまあ、この映画ははっきり言って娯楽作品だ。もちろんその根底には、みんなに手話というもの、聞こえない人たちの生活、そういったものを正しく理解して欲しいという絶対的な命題があるにせよ、コメディというオブラートでやさしく包み、それでも描くべきことはしっかりと、手を抜くこと無く作ってある。そして作品として落とし所というか、ツボというか、そういった部分はかゆいところに手が届くように作り込まれている。悪く言えばそれは「お約束」なのかもしれないが、中途半端なお涙頂戴似非トレンディドラマと違って開き直って作っているところは潔ささえ感じる。それはこの岡崎愛の演技無くしては、決して達成されなかっただろう。

久しぶりに気持ちのいい日本映画を見た。

以上

この映画を通して造り手の意図したことは、『この映画は純粋にごく普通の映画として、観た人に楽しんでもらいたい』ことだと思います。そのついでに今まで気がつかなかったことにみんなが気がつけば、それでいいと思います。


jojoさんからのコメント(2000年05月07日 22時13分29秒 ) パスワード
  

行くつもりだったのに都合で残念ながらいけませんでした。
今後近辺で上映される予定はあるんでしょうか?
なければビデオ化まで待つしかないかな〜。

SHINさんからのコメント(2000年05月14日 01時45分52秒 )
  

本人によりコメントは削除されました。 2000年05月14日 01時46分46秒
SHINさんからのコメント(2000年05月14日 01時50分57秒 ) パスワード
  

ごめんなさい。再投稿させていただきます。
おいらも行きたかった。かなり気になっていた映画だったもので・・・
ビデオとか出るんですかねえ。おきらくマンさん、jojoさん、情報が入り次第
教えて下さい。
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