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こんな記事が出ていましたので紹介します。
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以下引用
平成 12年 (2000) 4月24日[月] 仏滅
■産経抄
幕末の高杉晋作の辞世「おもしろきことも
なき世をおもしろく」の下の句を山口県の
「やまぐち地酒倶楽部」が募集した。それに
七千句近い応募があったという。日本人は
やっぱり“ことば遊び”の好きな民族だ。
▼そして「時代を超えて吹く風となれ」な
ど十二句が入選したという。そのほかの入
選句のすべてはわからないが、ずいぶん
大まじめな作品である。もう少しひねりやし
ゃれを効かした句を期待していたので、や
や拍子抜けした。
▼慶応三(一八六七)年四月十四日、高
杉晋作は二十七年と八カ月の人生を終え
て死の床にあり、筆と紙を求めた。そして
みみずがはうような字で「おもしろきことも
なき世をおもしろく」と書いた。そしてそこで
力尽き、筆を落としてしまった。
▼すると枕頭にいた福岡藩の勤皇女性・
野村望東尼が「すみなすものは心なりけ
り」と書き継いだ。それを読んだ晋作は「お
もろいのう」とほほえんで息を引きとった。し
かし根は粋人の晋作だから、道歌めいた
下の句は気に入らなかったのではないか、
とこれは後世の人間の想像である。
▼ことば遊びの好きな日本人は、地口、
もじり、早口、なぞなぞ、しり取り、回文など
多彩な言語世界をつくり出した。しゃれの
わからない人間は、風流を解さないだけで
なく、半ちくなやつとさえ見られた。しかしそ
の半面、ことば遣いではいい加減で適当だ
ったらしい。
▼濁点をつけたり、つけなかったりするこ
ともそうで、ある人が「世の中は澄むと濁
(にご)るの違いにて」と詠んだ。すると下の
句に「刷毛(はけ)に毛があり禿(はげ)に毛
が無し」とつけたのがいたという。差しさわ
りがあったら謝るが、そんなことば遊びをし
ていた。
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